3.ヒメイワダレソウの植え付け及び管理方法
 1.ヒメイワダレソウの概要
 2.ヒメイワダレソウ関連資材(ポット苗、植栽シート、防草シート、杭、ピン等)
    4.ヒメイワダレソウ植栽事例

 弊社は㈱ヒメ研(旧ヒメイワダレ草研究会)グループの一員として、ヒメイワダレソウについて共同で研究を行っております。 また、弊社はヒメイワダレソウや関連資材を北海道から九州まで多くのお客様に納入させて頂いており、お客様から様々なご意見やご相談を頂いております。ここでは、これまでの研究成果とお客様から頂いたご意見、ご相談も踏まえ、ヒメイワダレソウ(ヒメイワダレ草)の植え付け方法と管理方法を紹介致します。

 ヒメイワダレソウは非常に繁殖力が強く様々な場所の緑化に大変適した植物ですが、他の雑草を全て凌駕できるほど強い植物ではありません。 ヒメイワダレソウよりも強い雑草もあります。また、植えた後は何の世話をしなくても勝手に繁茂し、長年に渡ってその状態を維持できるような都合の良い植物でもありません。 あまり過大な期待をして安易に植栽し管理を怠ると失敗する恐れがあります。 植栽にあたっては、ヒメイワダレソウの特徴を十分把握し、下記の管理方法を参考にして実施して下さい。 植栽マニュアル 管理の仕方 管理方法

(1)植え付け場所について

  • ヒメイワダレソウハは、日当たりが良く排水良好なところを好み、日陰や湿潤土壌には適しますせん。 日陰ではあまりほふくせず、もやしのように徒長して花の咲きも悪くなります。
  • 植え付け場所は、できるだけ日当たりが良く、排水良好な場所を選んで下さい。

(2)植え付け時期について

  • 植え付け時期は寒冷地では4月~9月が適期ですが、暖かい地域では2月から植えてもまた晩秋に植えても問題ありません。
  • 暖かくなってから植えた方が、成長が早いので初期管理がしやすくなります。 但し、暑い時期に植える場合は水不足で枯れる恐れがあるため、 注意が必要です。
  • 寒冷地で早春や晩秋に植える場合は、根が付くまでに寒波に会うと枯死する恐れがありますので、注意が必要です。 

(3)植え付けに必要な資材について

下記に必要資材を示します。資材の詳細については2.ヒメイワダレソウ関連資材の項をご覧下さい

  • ヒメイワダレソウポット苗
  • 除草剤
  • 植栽シート(防草シート)・・・なるべくお勧め
  • シート固定部材(杭、ピン等) ・・・なるべくお勧め
  • その他

<植栽シート(防草シート)併用をおすすめする理由>

  • ヒメイワダレソウだけを植える方法もありますが、全体を覆いつくすまでにどうしても他の雑草が生えて来てその除草に手間がかかります。また覆い尽くした後も2~3年は下から雑草が生えてくるので、かなりの頻度で雑草の抜き取り作業が必要になります。
  • そこで植栽シート(防草シート)を使用し、シートの上から植栽する方法をお勧めします。シートを併用することによって、他の雑草をかなりの程度抑制することが可能になり、植え付け後の管理作業を大幅に省力化できます。
  • 植栽シート(防草シート)につきましては様々なものがあり、どれを選択するかは<2.ヒメイワダレソウ関連資材>の項を参考にして下さい。

(4)ヒメイワダレソウの植え付け方法

1.植栽シート使用の場合

除草と床盤の補修

  • ヒメイワダレソウの植栽をうまく行うためには、事前の十分な除草凹凸のないきれいな床盤づくりが大変重要です。
  • 植え付け場所に雑草が生えている場合は、除草剤で十分に除草して下さい。 除草が十分でないと、後で苦労することになりますので、念入りに行って下さい。 除草剤はなるべく、葉から入って根まで枯らすタイプのラウンドアップやサンフーロン等を使用して下さい。 
  • カヤ、笹、ヨシ等など強靭な雑草はシートを突き破って出てくる場合がありますので、高濃度の除草剤を使用し、完全に根まで枯らして下さい。 スギナが生えている場合も、ポット苗の周囲から出てくる可能性が高いので、十分に除草して下さい。
  • 枯れ草が大量にある場合は、シート張りの邪魔になり、またヒメイワダレソウが根を下ろすのにも障害になるので、刈払機等で刈り取り除去して下さい。 ラウンドアップやサンフーロン等の除草剤を散布した場合は、薬剤を雑草の根まで十分に吸収させるために、刈り取りは1週間以上経過してから行って下さい。
  • 非常に硬く締め付けられた床盤は、ヒメイワダレソウの根が付きにくいので、可能なら耕起することをお勧めします。
  • 植え付け面に凹凸がある場合は、シートとの間に隙間ができ、ヒメイワダレソウの根が付きにくいので除草したあと補修して下さい。
  • PH4.5以下の酸性土の場合は、石灰等を散布してPH調整して下さい。
  • 雑草が大量に生えていた場所は雑草の種子が土壌に混入している可能性が高いので、雑草が長期間生えてこないように、土壌処理を行うことをお勧めします。


2  植栽シートを張る

  • シートを、シート固定部材で固定しながら張って行きます。
  • シートの幅に余裕がある場合は、シートの端を5cm程度下に折り重ねて張って下さい。 その方が、風の被害を受けにくくなり、また地盤にしっかり密着するので防草効果も増します。 特にエコ植栽シート(生分解性植栽シート)をご使用の場合は、GCP植栽シートに比べ強度が弱いので、出来るだけ端を折り重ねて張って下さい。
  • シートの固定は、基本的に50cm間隔で行って下さい。 シート固定部材の種類は場所に応じて選んで下さい。  部材の本数が少ないと、地盤とシートの間に隙間が出来易くなったり、シートの下に生えて来た雑草がシートを持ち上げて、ヒメイワダレソウの根が入りにくくなります。  シート固定部材は、出来る限り抜けにくいものを使用してください。弊社販売のプラ杭PK-250や生分解性プラピンは独特な抜け止めが付いていますので、非常に抜けにくくなっています。 状況に応じてご使用下さい。
  • 風が強い場所や土が軟らかく短い部材が抜けやすい場所においては、1m~2mピッチでプラ杭や金杭など長い杭で押さえる事をお勧めします。
  • シートは地面に密着させて張って下さい。隙間があるとヒメイワダレソウの根が入りにくくなります。
  • 法面にシートを横張りし重ね合わせる場合は、通常は上側のシートを上にして下さい。  下側のシートを上にすると、ヒメイワダレソウのほふく茎がシートの下に潜り込んでしまう危険性が高くなります。 
  • シートを張ったらなるべく早くポット苗を植えて下さい。 十分除草剤を散布しても1ヶ月以上も間を開けると、シートの下に雑草が生えて来る確率が高くなり、そうなると植え付け作業がしにくくなるばかりか、植え付け後の管理もしにくくなります。 諸般の事情で、シートを張ってから植栽まで一か月以上期間が開いた場合は、植栽前に再度、シートの上から除草剤を散布する事をお勧めします。


3  ポット苗を植える

  • 植え付けは、ラウンドアップ等の残留性の短い除草剤を散布した場合でも、念のため1週間以上あとに実施した方が無難です。 残留性が長い除草剤を散布した場合は、その除草剤の効果がなくなるのを待って植え付けて下さい。
  • 法面など傾斜地に植える場合は、ヒメイワダレソウが下のほうに良く伸び、上の方には伸びにくいので、ポット苗は出来るだけ上の方に植えて下さい
  • ポット苗を植える場所を、植栽シートに先の尖ったハサミカッターナイフで十字に切れ目を入れるか、または丸か三角状に穴を開けます。 GCP植栽シートを使用する場合はカッターナイフより先の尖ったハサミの方が適しています。
  • 次に植え付け場所に穴を掘ります。 穴径をあまり大きくしすぎると、苗を固定しにくいので、穴径は小さめにして下さい。  穴掘りには、弊社販売の『ポット苗用穴あけ器』弊社HPの2.ヒメイワダレソウ関連資材>の項参照)を使うと大変便利です。 移植ごてを使用する場合は幅の狭いものの方がきれいな穴が開きます。  
  • 穴径が大きすぎた場合は育苗培土等を周囲に補填し、しっかり固定させて下さい。  
  • ヒメイワダレソウは多肥を好まないので、通常の土壌では肥料はあまり必要ありませんが、初期成育を良くしたい時は植え付け時に少量の肥料を施肥して下さい。 但し、通常の土壌で施肥しすぎると、生育は早くなりますが過繁茂になりすぎ枯れることもありますので注意が必要です。 赤土など地力が低い土壌では、少量の肥料を施肥して下さい。
  • 硬く締め付けられた床盤は根が付きにくいので、大きく穴を開けポット苗の下と周囲に育苗培土を入れて下さい。
  • モグラが生息する場所では、モグラがポット苗を持ち上げ枯れてしまう恐れがあるので、ポット苗の下に【野菜の番人】(弊社HPの 植物活性剤・害虫獣忌避材>の項参照)等を入れる事をお勧めします。
  • 上記以外の場所でも、活着と成長の促進とモグラや害虫から守るため、なるべく育苗培土【野菜の番人】等を、ポット苗の下と周囲に入れることをお勧めします。  
  • 夏の暑い時期に植える場合保水剤弊社ホームページの2.ヒメイワダレソウ関連資材>の項参照)育苗培土に混ぜてポット苗の下に入れることをお勧めします。 それ以外の時期でも、乾燥し易い場所に植える場合は、水不足による枯死の防止、散水回数の省力化等の目的で、できれば保水剤を入れる事をお勧めします。保水剤は弊社で取り扱っております。  
  • 弊社では、保水材、肥料、害虫忌避剤等を調合した大変便利な【育苗培土用混合資材(H)】を販売しておりますので、ご利用下さい。
  • 植え付けが終了したら、苗に十分散水して下さい。

 

2.植栽シート非使用の場合

除草と床盤の補修

  • 植え付け場所の除草は、シート使用の場合以上に入念に行って下さい。 雑草が大量に生えていた場所は雑草の種子が多く混入している可能性が高いので、ラウンドアップ等の除草剤で雑草を枯らしたあと枯れ草を取り除き、更に長期間雑草が生えて来ないように土壌処理をすることをお勧めします。
  • 植え付け場所の床盤の補修は、シート使用の場合程は入念に実施しなくても良いですが、ヒメイワダレソウが繁茂した時の見栄えを考えても、ある程度はきれいにして下さい。

2  ポット苗を植える

  • ポット苗の植え方は、基本的に植栽シート使用の場合と同じです。
  • ポット苗の数は、植栽シート使用の場合に比べ、増やして下さい。

 

(5)植え付け後の管理方法

  • 植え付け後活着するまで、1日1回程度散水して下さい。 暑い時期に植えた場合は、枯れやすいので朝晩たっぷり散水して下さい。 活着には1週間~2週間必要です
  •  活着してからでも、暑い日や乾燥した日が続く場合は、枯れる恐れがありますので時々散水して下さい。  
  • 地力が低い土壌以外施肥はあまり必要ありません。 但し、赤土など痩せた土壌の場合は時々液肥を施肥して下さい。
  • 植栽シートを使用した場合、ヒメイワダレソウのほふく茎がシートの上に乗らず下に潜って伸びてしまうことがあります。 その場合は早めにほふく茎を下から出してシートの上に乗せて下さい。 またその際、シートが地盤よりかなり上に浮いている場合は、シート押さえ部材で押さえて下さい。  植えてからしばらくすると、茎が周囲に伸び、節から根を降ろそうとしますが、植栽シートの上に植えた場合は、土に比べ根を降ろすまで時間がかかるので、茎を手で持ち上げないようにして下さい
  • 苗の周囲に雑草が生えて来たら、コマメに取り除いて下さい。 放置しておくと、雑草でヒメイワダレ草の日当たりが悪くなり、成長が遅れます。 
  • ネキリムシ等の害虫がいた場合は、殺虫剤で駆除するか、【野菜の番人】等の忌避剤を散布して下さい。
  • モグラに苗を持ち上げられてしまった場合は、【野菜の番人】等の忌避剤を穴の中に入れもう一度植え直して下さい。
  • 植栽シートを使用した場合、植え付け前の除草が十分でないと、シートの下に雑草が生えて来てシートを持ち上げようとしたり、シートの小さな穴から雑草がはみ出すことがあります。 その場合は、シートから大きく出て来た雑草やシートの上から根を降ろした雑草は、出来るだけ早めに抜き取って下さい。 また、シートをかなり持ち上げて来た場合は、ヒメイワダレ草の根が入りにくくなりますので、シート固定部材でシートを押さえて下さい。 シートが大きく持ち上がってしまってからでは対応が大変になるので、早めの対処をお勧めします。 雑草が大量に生えて来た場合は除草剤の使用も考える必要があります。 コマメに除草するかしないかで、ヒメイワダレソウ植栽成功の可否が大きく左右されます。  ヒメイワダレソウが十分に繁茂してしまうと、除草作業はあまり必要なくなります。
  • 植えてから2~3週間たっても殆ど成長しない場合は、土地が痩せている事が考えられますので、液肥を施肥して下さい。 その際土が乾燥している場合は、散水も行って下さい。 
  • 植えてから数か月でかなりの面積に広がりますが、広がり方は土壌や気温、日当たり、傾斜角等によって変わります。 
  • 6月~9月にかけて、白い小さな花が咲きます。
  • 冬になると、葉を落とし、茎も茶褐色の枯れた状態になりますが、越冬後、気温の上昇と共に新葉が発生します。
  • 場所によっては、越冬後、ネズミに親株を食べられてしまい大きな被害を受ける事があります。 特に植え付け初年度は、親株以外はまだ十分に根が入っていない可能性が高いので、回復不能なほどの被害になることがあります。 そのため、ネズミがいそうな場所においては、予防策を講じておいた方が無難です。  
  • 翌年以降、植え付け場所に雑草が生えてきた場合は、基本的に抜き取る事をお勧めします。 ヒメイワダレソウに比較的ダメージを与えず他の雑草を枯らす事ができる除草剤もありますが使用に注意が必要ですので、弊社にご相談下さい。 背の高い雑草が大量に生えてくると、ヒメイワダレソウに日が当らなくなり枯れてしまう恐れがありますので、注意して下さい。 雑草を放置せずコマメに処理する事が、長年に亘ってヒメイワダレソウをきれいに繁茂させる必須条件になります。

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