ヒメイワダレソウの概要
草丈が5cm~7cmと短いため、草刈の必要がない。 根が40cm~60cmと深く密に伸びるため、法面保護効果が高い。
耐踏圧性に比較的すぐれており、人が歩いても全く問題ない。 踏圧を受けた場所は草丈が低くなる。また根がより強く張る。
ミクロネシア原産のものは白の小花、ペルー原産のものはピンクの小花が咲く。
種がなく茎(匍匐茎(ほふくけい)・ランナー)が地表をはって伸び、各節から根を出して分枝しながら繁茂する。グランドカバープランツ(地被植物)の一種。 各節から出た根は親株と同程度に深く密に伸びる。
繁殖力が強く、1個のポット苗が早ければ2~3ヶ月で約50cm四方に広がる。 但し、亜熱帯原産の植物であるため、気温が20℃前後まで上がらないと成長しない。 繁殖力が強いので他の植物を抑制する効果がある。そのため夏場の生育が旺盛な時には、有用な植物(特に背丈が低い植物)に覆いかぶさって駆逐することがあるので注意が必要。 雑草に対しても抑制効果がある、ヒメイワダレソウより強い雑草もあるので、全ての雑草を完全に抑制することは困難です。 生命力が強く病害虫に極めて強い。
亜熱帯原産の植物であるが、根雪日数120日でも問題なく越冬する。但し、土壌が凍結するような寒い地域では越冬できない危険性が高い。 冬は葉が枯死脱落し、茎も茶褐色の枯れた状態になるが、春になると気温上昇と共に新葉が発生する。新葉の発生はグランドカバープランツの中では遅いほうであり、寒い地域では5月の半ば過ぎになることもある。
日当たりが良く排水良好なところを好む。 湿潤土壌には適さない。 日陰ではあまり匍匐(ほふく)せず、もやしのように徒長して花の咲きも悪くなる。
生育可能土壌phは4.5~9と広いが、中性に近い方が良く生育する。 ph4.5以下の強酸性の場合は、石灰等を散布してphを上げた方が良い。
通常の土壌では肥料はあまり必要ない。但し初期成育を良くしたい時は、植え付け時に少量の肥料を施肥すると良い。 通常の土壌で施肥しすぎると生育は早くなるが、過繁茂になりすぎ枯れることもあるので注意が必要である。 赤土などの痩せた土壌では、植え付け時に少量の肥料を施肥し、更に時々液肥を施肥した方が良い。
ヒメイワダレソウは種子がないので、他の植生に悪影響を与えない環境にやさしい植物です。
種がなく、日陰を好まず、水中では成長しないので水田内への侵入はわずかであり、侵入しても除去が容易である。稲刈り後に侵入したとしても低温期に向かうので急速な繁殖 の心配はない。 翌春には耕うん・代掻きが行われるので殆ど消滅してしまう。
斑点米などの被害をもたらすカメムシの発生率が極めて少なく、稲への被害を最小に抑えることが出来る。(下記の表参照) その理由の一つとして、カメムシはイネ科の雑草を非常に好むが、ヒメイワダレソウが繁茂すればイネ科の雑草の生育を抑制するためと考えられる。